20AW collection themed “Something else”
3回目は、1st Pat-rnについて書こうと思います。このブランドについては、書かないといけない事が山ほどあるのですが、どこから書いていけばよいのやら。ブランドのバックグラウンドに、商品の詳細、またはこれまでのブランドの商品の移り変わりなど、長く付き合っているだけネタも持っているのだけれど、一気に書くより、小出しにします。
ブランドに関することなど、これまで積み重ねてきた事については、また後日改めて、数回に分けて書くとして、今回はやっとデリバリーが終わったばかりの、20AWの商品について少し書いていこうと思います。
個人的に、1st Pat-rnの20AWのラインは、これまでのイメージを覆す出来だと思っています。もちろんこれまでの商品も素敵だったのですが、今期の生地感や商品構成はなかなかすごいなという印象です。コレクションのタイトルを “ Something Else”とした点で、これまでのコレクションのテーマから一歩抜き出た感じがしました。Jazzの巨匠のアルバムから取られたこのタイトル。オーネットコールマンかキャノンボールアドレーか。。。。どっちも巨匠ですよね。アルバムからというよりか、Jazzの雰囲気を出したかったのだと思っています。複雑に理論に裏打ちされた音楽の中で、jazzは常に新しい何かを求めて進化し続けているあたりが、20AWのコレクションの根幹にあるという事かと。オーネットコールマンはフリージャズの巨匠で、キャノンボールは、モードの進化の途中の巨匠で。。。 一曲貼り付けておきます。
それではまず生地。
ビッグチェックの生地は、1st Pat-rnオリジナルの生地。以前から特別な生地を別注して作ってもらっているイタリアの工場で生産されています。ウール、ナイロン、リネンを交ぜておられています。混ぜてではなく交ぜてと書いた理由が、一本の糸が3種類混合というわけでなく、ウールの糸、リネンの糸、ナイロン糸をそれぞれ交ぜて織って、ビッグチェックにしているため、場所によって、ウールだったり、リネンだったりナイロンだったりの質感を見ることが出来る生地です。遠目からでもただ物ではない雰囲気ですが、近寄ってみるとさらにすごい生地です。直に手に取ってみていただけると、この感じがわかるのですが… お近くのお店まで。
コーデュロイ生地はマイクロコットンを使用した極細コーデュロイです。柔らかい手触りですが、しっかりしており、以前作っていたスピマコットンのコーデュロイをグレードアップさせた生地です。イギリスの有名生地屋さん製です。
そして、ニット生地。イタリア北東部にある小さな工場で、限られた量のバージンウールのみを使用して作られる1st Pat-rnだけの生地。ウールニット素材は数あれど、これほどまで出来の良い生地はなかなかないかなと思っています。
このような生地から作られるコレクション。興味がわかないわけがないです。
それぞれの生地が一番映える形で、生地の恩恵を最大限に生かすこのが出来るのは、さすがと言えます。ニットブレザー、ブレザー、ジャケット、パンツ、そしてシャツとフォーマルに見えがちですが毎日着ることが出来るくらい快適な洋服です。
1st Pat-rnのコレクションは、1st Pat-rnのデザイナーの二人が着ている姿が言うまでもなく一番かっこいいと思うのですが、とはいえ、万人が似合う商品かと思っています。
セットアップで着るもよし、持っている服と合わせるもよし、思いっきりカジュアルの際にジャケットを羽織ってみるもよし、コレクション内の色も着易い色がそろっているのがありがたいです。デザイナー曰く、1st Pat-rnの服は、どの組み合わせでも様になるように作っているとのことです。そして、タイムレスに着ることが出来る一品ぞろいです。
極端な話、20AWコレクションのパンツをはいて、18AWあたりのジャケットを着ても問題ないです。デザイナークリスティアーノもそのような着方をしています。
Cristianoはよく言います。
“We must try to wear to understand”と。
見た目形だけは無く、着心地や来た時に美しく見えるという事を考えた洋服。
まだ未体験の方は、そろそろ着てみた方が良いですよ。
生地だけで結構引っ張ってしまいました。
いくつかのアイテムの件も、また書きます。
ではまた次回!
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